土地活用はルネスマンションへ 土地活用における物納って何?





遺言作成と資産(土地)分割のポイント

物納って何?

 不動産の価格が下落し始めて早くも12年になります。この間に相続税を支払う方法として物納が盛んに行われ注目されてきました。 しかし、その物納の実態や事例はあまり公表されてなく、噂ばかりが一人歩きをしている状況です。 そこで今回から物納の基礎と対策および最新事例をご紹介していきたいと思います。

物納って何?

 物納とは相続税を支払う方法の1つです。本来相続税は金銭一括で支払うことが原則になっていますが、 一括で支払えない場合は延納(相続税の分割納付)によって納付することが可能です。 では、物納はというと、一括金銭によっても延納によっても相続税を支払うことが困難な場合に限り、 相続財産そのもので納付することができるという制度です。つまり相続税の納付方法の特例中の特例なのです。

物納の要件や財産の種類


 物納によって相続税を納付するにあたっては、様々な要件や充当できる財産などが規定されています。それでは物納の基本を確認していきましょう。 《物納要件》  物納する前提として次の3つの要件があります。まずこれらをクリアしなければ物納をすることができません。
  1. 金銭一括納付はもちろんのこと、延納によっても金銭で納付することを困難とする事由があること。
  2. 納期限までに物納に充てようとする財産の種類及び価格などを記載した物納申請書を税務署に提出すること。
  3. 物納財産は国が管理又は処分するのに適した

 このように「即日現金や分割払いでも払えない」状況であって、はじめて物納制度を活用できるのです。したがって、 相続財産に現預金がない場合でも、相続人本人が多額の現預金を持っている場合や多額の所得や臨時収入が見込まれている 場合などは物納制度の活用そのものが難しいことがあります。

《物納順位》
相続財産のうち物納する財産の順位は次の順位になります。
第一位…国債、地方債、不動産、船舶
第二位…社債、株式、証券投資信託又は賃付信託の受益権
第三位…動産

 上記のように物納の優先順位が決められていることから、相続で不動産と株式を同時に取得した場合において、先に株式を物納することはできません。 また、複数の不動産を相続した場合などは、相続した不動産のうちのどれかを物納に充てるかという選択は納税者すなわち相続人が決定できるのです。
 ですから例えば、利便性の高い土地と、利便性の悪い土地を相続で取得した場合などは、後者を物納申請してもよいのです。国が特定の不動産を物納財産と して指定することはないので、要件をクリアさえできれば所有したいと思う優先順位の低い不動産から物納するようにすれば、自分にとって良い不動産を残す ことができるのです。

《物納財産》
 物納に充てることのできる財産は次の3つの要件を満たすことが規定されています。
  1. 相続等により取得した財産であること。
    (被相続人が所有していた財産であること。したがって相続人固有の財産を物納財産とすることは認められません。)
  2. 日本国内にある財産であること。
  3. 国が管理又は処分をするのに適した財産であること。
    (したがって、賃貸用不動産で個別の入居者管理が煩雑なものや 賃料等が滞納されているものまたは無道路地など売却(処分)が困難な不動産は物納が認められません。)

物納不的確財産


 物納するのにあたり右記に該当する不動産は不適格と 認定され物納ができません。しかし、物納申請後、整備をすることにより要件をクリアすることができれば物納が可能となります。

  1. 質権、抵当権その他の担保目的となっている財産。
  2. 所有権の帰属等について係争中の財産。
  3. 共有財産。但し共有者全員が持分の全部を物納する場合を除く。
  4. 譲渡に関して法令に特別の定めがある財産。
  5. 買戻し特約、所有権移転の仮登記等のある不動産。
  6. 売却できる見込みのない不動産(借地人が不明・無道路地等)。
  7. 稼動工場の一部を構成する不動産等のように他の財産と一体して効用を有する不動産。
  8. 現状を維持するため、土留め、護岸の築造又はその修理を要する土地。
  9. 境界が明確でない土地で、隣接地主から境界に異議のない旨の了承が得られない土地。
  10. 現に公共の用に供されている又は供されることが見込まれる土地。
  11. 入会慣習のある土地。
  12. 数年以内の使用に耐えられないと認められる建物。
  13. 維持又は管理に特殊技能を有する劇場・工場・浴場その他の建物。
  14. 土地の所有権を伴わない立木。
  15. 借地・借家契約の円滑な継続が困難な不動産。
 物納申請時に不適格財産でも整備できればいいのです。例えば物納申請時に土地の境界の確定が出来ていなくても、 申請後に境界が確定出来れば物納できます。つまり、裏を返すと上記不適格事項に触れなければ物納が可能であると解することができるのです。

物納手続きの流れ


 物納制度を利用する場合、図-1のように相続が発生してから相続税の申告期限まで(10ヶ月以内)に物納申請財産を選定し物納申請をしなければなりません。 その後、税務署(財務省)が申請財産について、個別に指摘してくる事項(補完事項)を整備し、完了することにより物納が完了(収納)します。但し、一旦物納 申請した財産は、納税者側から変更することができませんので、物納物件は様々な要素を分析し迅速、的確に選定することがポイントです。
 また、物納の許可がおりるまでの期間に物納申請したものを延納に切り替えたり、売買などの理由で取り下げる事も可能ですが、最初に延納申請したものを 物納に切り替える事は一切できませんので迷ったら物納申請をするべきでしょう。

いくらで納付できるの?


 物納によって収納される価格は相続税計算の基となったその財産の評価額によります。不動産の場合は、申告した相続税評価額が収納価格となります。
 前述の「物納手続きの流れ」で説明したように物納申請から収納までは相当な期間を要しますので、収納までに地価が大幅に下落していたとしても、原則、 申告時の相続税評価額で収納されます。したがって、不動産価格の下落が続いている時は、現預金を手元に残し、不動産を物納するのことが納税者にとって有 利になることが多々あります。
 最近、当社で取り扱いました事例でも、平成13年6月に物納申請、平成13年12月に物納許可、それで、収納価格約11300万円の土地が平成15年2月に実施され た国有宅地の公売で「最低売却価格6650万円」で売り出されていたということがありました。相続発生から約2年半、収納価格と売出し価格にこれほど大きな 乖離が発生しているのが実態です。



間違いだらけの物納知識


 物納の基本をご紹介してきましたが、最後によく世間で勘違いされている物納知識をご紹介します。
  1. 更地しか物納できない
  2. 相続財産で一番条件の良い財産しか物納できない
  3. 人に貸している土地(貸宅地)は物納できない
  4. 農地は物納できない
  5. 現金などの流動資産があるので物納できない
  6. 物納申請までに測量等を済ませなければならない
  7. 物納申請と同時に国に収納される
  8. 物納の整備は税理士がやってくれる
  9. 税務署からの指摘事項は交渉の余地が無い
  10. 駐車場を物納する場合申告までに契約を解約しなければならない
  11. 土地の相続評価は安い方が良い
  12. 相続申告までに物納するか売却しなければならない
  13. 収納まで長期間かかると利子税や延滞税を取られる
  14. 延納から物納に変更できる
   上記は間違った物納知識の一例です。項目によっては多少の戦略も必要ですが、今回列挙した項目は基本的に間違いだと認識していただいてよいと思います。
 相続対策は生前対策が中心ですが、実は相続発生後の対策(分割や納税手法)も重要なのだと考えていただき、相続発生後でもあきらめないでトライすることを お勧めします。

今回のポイント

  • 相続発生から10ヶ月以内に物納財産を決めて、物納申請をしなければならない。
  • 延納と物納迷ったらまず物納申請を。
  • 相続財産のうち一番非効率な(所有の優先順位の低い)不動産からの物納を検討する。
  • 物納申請後、規定の要件を整備できれば物納できる。
  • 物納のプロ専門家は実は少ない。
  • デフレ時代は物納が有利。収納までに時間がかかって不動産価格が下がっても心配ない。
  • 相続対策は生前対策と発生後対策を講ずれば効果は倍増である。

分割しにくい土地の相続  『物納の活用法』
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